〔おかまいもしませんで〕

#6 息子の起立性調節障害が改善②

 その薬は、朝と昼の2回服用します。血圧を上げることで脳への血流を維持し、フラフラにならないようにする算段です。しかし、息子には合いませんでした。

 何とかしなければ、というのは毎朝の息子の顔を見るたびに思います。首から上に血流がないため、幽霊みたいに真っ白な顔をしているからです。学校に行きたいのに行けない自分に対し、嫌悪感のような感情も抱き始めていました。

 薬がダメなら、食事で治せばいい。そこで登場するのが、ドクター渡辺直伝の「肉・卵・チーズ」です。

 ところが息子は、肉が苦手。挽き肉ならガツガツ食べるのですが、ステーキのような固形の肉を食べたがりません。

 その日から、わが家のメニューはハンバーグとロールキャベツと肉団子のローテーションの様相を呈しました(笑)。もちろん親も付き合います。それに加え、息子は毎日オムレツやゆで卵にして4個以上の卵を食べます。

 1週間後、寝起きの息子の顔に少し赤みが差しました。2週間後には、本人も「病気はもう治ったような気がする」と言うようになりました。

 結局、学校は7カ月も休みましたが。今は以前にも増して元気です。勉強するときの集中力も上がっているようです。

 起立性調節障害は思春期の子どもに多く、中学生の10~20%がかかる病気です。多くは短期間で治りますが、まれに5年10年と続くケースがあるそうです。

 難しいのは、「夜更かしして朝起きられない」、「学校に行きたがらない」などの現象面から、サボリや不登校と間違えられること。親が精神科の病院に連れて行き、的外れな診断をされるケースもままあります。

 この世代のお子さんに、おかしな様子(朝起きられない、顔色が白い、頭痛や吐き気を訴える、夜は元気がいい)が見られたら、この病気をちょっと疑ってみてください。お子さんは、体調の悪さにとても苦しんでいるかもしれません。そして内科ではなく、小児科を受診してください。

 もちろん、お菓子やジュースをやめさせ、タンパク質と脂質で栄養たっぷりの食事をさせることも有効です。少なくとも、わが家の息子はそれで治りましたから。