〔おかまいもしませんで〕

#2 ローカーボとの出会い②

 渡辺先生が推進する「カムカムダイエット」はローカーボと咀嚼法を組み合わせたもので、方法論はごくシンプルながら驚異的な成功率をマークしていました。

 患者さんのビフォー&アフターの写真を何枚か見せてくれながら、「この方は20kgぐらい痩せました。おそらく睡眠時無呼吸症候群だったと思うんだけど、今はその症状も消えていますよ」、「この方は高血圧や糖尿病で薬を4種類も飲んでたのに、全部やめられました」などと、次々と成功例を紹介してくれました。

 血液検査のデータには、さらに驚かされました。過去2カ月ぐらいの平均的な血糖値の指針となるHbA1cは、5%台以下であることが安全圏です。これが、ひどい糖尿病の方になると倍の10%を超えるのですが、そういう方が次々と数値を下げて基準値入りしていたのです。

 もちろんそれは、中性脂肪値やコレステロール値、あるいは肝機能の数値でも同様でした。これまで、(進行を抑えることはできても)まず治らないとされていた糖尿病も大きく改善するという結果です。

 糖質の摂取をやめると、体脂肪や血中脂肪が減って脂肪肝も治る……?

 にわかには信じることができません。でも渡辺先生は、「大丈夫です。最初はみんな頭が混乱しますから」と笑っています。

 「私、先日の健康診断でLDLコレステロールが高めだったんですが、そういうのも下がるんですか?」と聞くと、即座に「はい」とのお返事。「食べた脂が体脂肪になるわけじゃないんです。そこの頭の切り替えができると、宮内さんの理解もどんどん進むようになります」

 私は肥満でも糖尿病でもありません。でも、自分の食生活をちょっと振り返ってみると、ご飯や麺類が大好きです。お菓子もよく食べます。じゃあ、この食生活を見直してみたらどうなるか? 私の精神構造は単純そのものですから、すぐに自分で人体実験をしてみようと決意していました。