〔それぞれのLCHP〕

カルテNo.3 K・Aさん(46歳女性)

こんにゃくや寒天で2度も入院したのに……

 私は3800gで産まれ、そのまま太り続けました。学生時代にはすでに85kgほどあり、最後に体重計に乗ったときには94kg。服は21号で、たまに膝や股関節に痛みを感じていました。その後は体重計から逃げていたので、軽く100kg超えていたと思います。

 子供の頃には、学校で肥満児だといじめられたり、からかわれたり……。ずいぶん悲しい思いもしました。

 少女に成長した私は、カロリー計算、置き換えシェイク、プチ断食、リンゴダイエット、痩せる下着などと、いろいろトライしました。でも、たいていは痩せないか、少し痩せられたら体調不良になるかで、リバウンドすることの積み重ねです。

 生理も止まり、すぐに疲れる有様でした。 栄養不足で電車には酔ってしまうし、寒天ダイエットで腸炎になって入院したこともあります。糸こんにゃくと昆布の食べすぎで腸閉塞を招き、救急車で運ばれて入院した経験もありました、生き地獄のような痛さでした。

 結婚し、息子が小学校高学年だった頃が、「太っている私」の最後のときです。申し訳ないことに、息子も肥満児に成長してしまっていました。それで親の私が学校の保健室に呼び出され、息子のダイエットを要請されたことが、親子でのダイエットの始まりでした。

 選んだ方法は、当時の健康雑誌に載っていた「おかず食べ放題ダイエット」。名前は違っていますが、中身は糖質制限とほとんど同じです。主食と果物、イモをやめて、肉や卵、チーズなどをたくさん食べました。生クリームもOKなので、レアチーズケーキを作ったりもしました。

 最初は運動部員のようにたくさん食べましたが、自然に食べる量は減っていきました。野菜は、歯応えを楽しむ程度に食べただけです。

 最初の1カ月で、軽く10kgぐらい痩せて笑いが止まりませんでした、毎日おいしく食べて痩せていくのですから我慢の必要がなく、長い肥満生活の中で一番ラクでした。糖質制限は楽しく続けられる、唯一のダイエットだと思います。

 現在は60kgで、40kg以上痩せたことになります。現在は60kg(身長171cm)で、周囲には、「体が半分になったね」と言われます。お洒落も楽しくなりました。

 毎食肉・卵・チーズが食べられ、脂質を制限する必要はありません。そのため乾燥肌にはならず、胸ばかり痩せてしまうこともありません。ブラのカップは、太っていた頃より今のほうが1カップ上がっています。ダイエットによる皮膚の余りも発生していません。

 趣味のジム通いでは、エアロビクスを連続2レッスンした後にプールで泳いでも、ヘロヘロになったことはありません。ちなみに、私は痩せてからジムに入会したので、運動で痩せようとは思ったわけではありません。あくまで娯楽です。肥満のままだったら、運動の楽しさも知らなかったと思います。

 私の母は、糖尿病から人工透析に至って他界しました。ですから、当時は糖質制限という選択肢がなかったことが残念でなりません。病院食は白米ばかりが多く、タンパク質は猫のご飯以下の量です。病室で肉を食べたがっていましたが、悪化してしまうと思って食べさせてあげられませんでした。全身の血管が蝕まれるせいか、アルツハイマーのような症状もありました。

 糖質制限の本も、たくさん読みました。中でも、渡辺先生の本は糖尿病の方以外も対象にしていて、子供からお年寄りまで対応できると思います。生活習慣病予防のためにも、肉・卵・チーズを続けて(もう習慣になりましたが)、私も元気な毎日を過ごしたいと思っています。

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