〔それぞれのLCHP〕

カルテNo.2 M・Mさん(41歳男性)

糖質制限で糖尿病を完治!

 ラグビーをしていた高校時代の体重は70kg。それが、30歳のときには103kgまで増えていました。ランニングやウォーキングでは膝に負担がかかり、耳つぼダイエットや代用食品ダイエットなども合いませんでした。筋量が落ち、落ちた後にまた脂肪がつくことの繰り返しで、体重は増える一方でした。

 私は、とにかくご飯とラーメンが大好き。ご飯は朝から丼に3杯。ハンバーガーやスイーツに加えて炭酸飲料も大好きで、毎日1.5リットルもガブ飲みしていました。

 2012年2月、急に奥歯がグラグラ動いて痛みました。痛みで夜も眠れず、普通の食事が取れないので毎食お粥を食べましたが、逆流性食道炎が悪化しました。そこで仕方なく、スポーツドリンク、カフェオレ、プリン、ヨーグルトなどを食べました。やたらと口の中が渇くので、毎日10リットル以上もスポーツドリンクなどを飲みました。トイレは30分おきです。

 視力の低下、体重の激減、意識は朦朧……。3月5日に地元の病院に行ってみると、いきなり糖尿病と診断され緊急入院です。「糖尿病は完治しない」と医師に言われ、やりきれない思いで一杯になりました。

 39歳で糖尿病なんて、情けなくてたまりません。入院時の数値は血糖値402、HbA1cが11.5。この数値は、しばらく下がりませんでした。

 そこから私は、「左腕に点滴、右手にiPhone」で、糖尿病について調べました。そこで見つけたのが、松田さんという方のブログ。糖質制限という食事療法を実践して、糖尿病が劇的に改善した方です。これを読んで、私の血糖値が下がらないのは、カロリー制限の病院食で1食240gもご飯を食べているからなのか? と直感しました。

 そこで、入院4日後から糖質制限食を始めました。病院のカロリー制限食を食べているふりをしながら、外出して肉などを食べたのです。すぐに血糖値は200を切り、140を切りました。その結果を主治医の先生に見せたところ、3月17日に退院が決定しました。

 私はすぐに、松田さんの主治医である江部康二先生の高雄病院に通院することにしました。4月中旬に予約が取れて自己管理ノートをお見せすると、「(数値が)完璧やな」とおっしゃっていただけたので、ホッと安心できました。

 地元の病院へも通院しましたが、7月に私の数値を見た担当医は「糖尿病は完治してますわ……」。血糖値、HbA1c、肝機能、総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロールもすべて正常値か、それに近いところにまで改善していました。9月に行ったときも、それは同じでした。

 翌年1月、私は江部先生に提案された実験をしました。炊きたてのご飯150gをあえて食べ、1時間後と2時間後の血糖値を測るというものです。結果は、1時間後 141、2時間後 86。その後も、同じ実験を何度かやってみましたが、だいたい

  • ・空腹時血糖値 89
  • ・1時間後血糖値 133
  • ・2時間後血糖値 99

 程度の結果になりました。

 そして6月4日には、江部先生から「糖尿病完治!」との言葉をもらいました。あのまま病院のカロリー制限食を続けていたかと思うと、恐ろしくなります。

 ※M・Mさんは、病状や経緯についてブログで詳しく発信されています。こちらからどうぞ。

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